エネルギーコスト削減,CO2排出量低減に大きく貢献した自社開発バーナ
ecoNext(エコネクスト)は炉内の燃焼排ガスを高性能熱交換器により排熱回収し、燃焼エアを予熱することにより省エネルギー効果を発揮します。最も低 NOx な「P型」、機能を落とさず低コストにした「TFD型」、熱交換器を搭載しない「N型」の3タイプがあります。
熱交換器搭載省エネバーナ ecoNext シリーズ
熱交換器搭載型 低 NOx & 省エネバーナ
大気汚染防止法で定められたNOx排出基準値をクリアするため開発されました。燃焼方式にはエコム独自の特許技術である高温空気燃焼方式を採用し、ノズル形状や燃焼ユニットを見直すことで、省エネ性能はそのままに炉内900℃時でもNOx100ppm12%O₂を下回る大幅なNOx排出の低減を実現しました。 【特許公開番号 2017-032196 フレームレス燃焼装置】
熱交換器搭載型 省エネバーナ
シェル&チューブ熱交換器をバーナに搭載した省エネバーナです。エコムが2000年代から開発していたENX-TF、ENX-Sの後継機種になります。排熱を燃焼空気の予熱に利用することでバーナ内で熱移動が完結するため熱ロスが少なく、最大30%以上の省エネルギー率を達成しました。 ただし燃焼空気を予熱しているため火炎温度が上昇しやすく、炉内 900℃時には NOx が 200ppm12%O₂ を超え、使用温度が高いほど NOx が増大する問題点があります。
超低 NOx 省エネバーナ
ecoNext最大の特徴である熱交換器を思い切って取り払ったコンパクトなタイプです。 既設設備のバーナをecoNextに置き換えたいが設置スペースが足りない、すでに既設設備で熱交換器を設置し排熱回収をしており熱利用のみ行いたい、などのお客様の声を受け開発されました。 高温空気燃焼技術にも対応しており、別途熱交換器を設置すればENX-P同様のNOx低減が可能です。
比較表
機種名 | ENX-P | ENX-TFD | ENX-N |
---|---|---|---|
燃料 | 都市ガス(13A) | 都市ガス(13A) | 都市ガス(13A) |
最高使用温度 | 900℃ | 900℃ | 1,000℃ |
省エネ | ◎ | ◎ | バーナ単体では× |
低NOx | ◎ | 高温使用時× | ◎ |
設計コンセプト | 排熱利用かつ、TFDの課題であった高温時のNOx排出を低減 | 排熱を改修し、燃焼空気の予熱に利用 | 排熱回収を行うには熱交換器が別途必要 |
苦手なこと | 燃焼配管が複雑 | 高温使用時にNOx増大 | 排熱回収を行うには熱交換器が別途必要 |
目的別
- まずは省エネが第一! カーボンニュ-トラルに貢献!
- ENX-TFD
- 省エネかつ低NOx 環境にも配慮したい!
- ENX-P
- 既設の設備でENXを設置したい!
- ENX-N
1つのバーナで年間 36 万円節約!? 省エネ試算にトライ
平均出力 100kW のバーナを省エネ率 30% の ecoNext に置き換えたときの年間の省エネ、CO2 削減量を試算します。
1日当たりの使用時間は 8 時間で年間 240 日使用、燃料は都市ガス(13A)、ガス料金は 80円/Nm³ と仮定します。
ここで 13A の発熱量は 45MJ/Nm³、13A の炭素排出係数は 0.0136tC/GJ です。(環境省HPより)
炭素重量を二酸化炭素重量に変換とすると、C=12g/mol、CO₂=44g/mol より二酸化炭素排出係数は 0.0499tCO2/GJ となります。
出力、使用時間、省エネ率から、一次エネルギー削減量を計算すると 207,360MJ/year が年間で削減されます。
一次エネルギー削減量を燃料発熱量で割ると、ガス使用量削減量は 4,608Nm³/year となります。
ガス使用量削減量にガス料金をかけるとガス料金削減量は 368,640円/year となります。
一次エネルギー削減量を二酸化炭素排出係数で割ると、二酸化炭素排出量削減量は 10.3t/year となります。
仮定条件
A:平均出力 | kW | 100 | 仮定 |
---|---|---|---|
B:1日あたりの使用時間 | h/day | B | 仮定 |
C:年間使用日数 | day | 240 | 仮定 |
D:省エネ率 | % | 30 | ENXバーナ最大値 |
E:ガス単価 | 円/Nm3 | ¥80 | 仮定 |
前提条件
F:燃料発熱量 | MJ/Nm³ | 45 | 13A標準値 |
---|---|---|---|
G:C排出係数 | tC/GJ | 0.0136 | 環境省HPより |
H:CO₂排出係数 |
tCO2/GJ | 0.0499 | Fx44/12(炭素量を二酸化炭素量に変換) |
計算結果
I:一次エネルギー削減量 | MJ/year | 207,360 | AxBxCx3600xD/100/1000 |
---|---|---|---|
J:ガス使用量削減量 | Nm³/year | 4,608 | I/F |
K:ガス料金削減量 | 円/year | ¥368,640 | J x E |
L:CO₂削減量 | t/year | 10.3 | I x H/1000 |
製品一覧 line-up
事例 排熱回収バーナー「エコネクストシリーズ」を使った「アルミ溶解プロセス」の省エネ改造工事
Before 診断
- サーモグラフィにより、炉体の高温部を発見
- 過剰空気により燃焼調整が必要
- 排気損失が多い事が判明
- エネルギー使用量は 17m3/h
- 排気温度が700℃で、高温のまま排出
After 改造工事 診断
- 炉体高温部の断熱補修工事を実施
- 排熱回収バーナー「エコネクスト」を搭載
- 適正な空燃比へ調整
- エネルギー使用量は9m3/hへ低減
- 排気温度は200℃へ低減
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