- 熱交換器一体型の排熱回収バーナの搭載や連結コンベアレスで従来より約73%にコンパクト化!
- 熱源のハイブリッド化による工程ごとの最適熱源選択で59%の省エネ!
- モジュール化で多品種生産や生産量変動に柔軟に対応。操業途中での電気⇔ガスの切り替えも可能であるためデマンドレスポンスにも対応可能!
- 高温熱風による循環加熱にて約4割の昇温時間短縮を実現!

熱処理は、材料を加熱、冷却して性質を向上させる技術であり、昇温、均熱化、急冷など複数の工程からなります。生産性を重視して大型設備で大量処理されますが、小ロット生産や生産量の変動に対応できずライン変更も困難です。多品種少量生産に対応できるフレキシブルな生産ラインの構築と省エネルギーの両立が求められていました。 そこで、多品種少量生産が可能なフレキシブルな生産ラインの構築と省エネルギー、省スペースを実現し、電化への段階的なシフトも可能となる超コンパクトモジュール型ハイブリッド熱処理炉を中部電力株式会社とエコムが共同開発しました。
電気とガスの最適化とモジュール化で省エネ・省スペースを実現
高出力で急速に加熱できるガスバーナと温度制御を高精度に行う電気ヒータによる熱源の二重化やファンの周波数制御により、熱処理の工程毎に最適な熱源と風速を設定することが可能となりました。これにより開発品と同等の処理能力を有する従来の熱風循環型熱処理炉と比較して約59%の省エネを実現しました。
また高効率熱交換器を搭載したecoNextバーナの採用や装置構成の最適化により約73%の小型化を実現しました。
さらに熱処理炉をモジュール化し複数台の連結を実現することで、故障時の代用や多品種少量生産、生産量の変更にも柔軟に対応することができるようになりました。

熱交換器搭載型省エネルギーバーナの適用
本装置に搭載している省エネルギーバーナ「ecoNext」は、バーナ本体に搭載した高性能熱交換器により、炉内燃焼排ガスの排熱を回収し燃焼エアを予熱することで、省エネルギー効果を発揮します。また、排熱回収により燃焼空気を予熱する場合、窒素酸化物(NOx)の多量発生が懸念されます。ecoNextは滞留時間の短縮し燃焼温度を下げる二段階燃焼を採用することでNOx排出の抑制を同時に行うため、本装置はNOx排出を抑制しながら省エネルギーを達成することが可能となりました。

熱源ハイブリッド化と循環ファンのインバータ制御
高出力で急速に加熱できるガスバーナと温度制御を高精度に行う電気ヒータによる熱源の二重化や循環ファンのインバータ制御により、熱処理の工程毎に最適な熱源と風速を設定することが可能となりました。これにより、開発品と同等の処理能力を有する従来の熱風循環型熱処理炉と比較して、59%の省エネルギーを達成しました。



機器配置の最適化による小型化とモジュール化
装置構成の最適化によりシステム全体の大幅な省スペース化を実現し、従来のガス式熱処理システムに対し73%の省スペース化を実現しました。さらに、モジュール化により必要な台数のみ連結し、炉毎に熱源、温度、風速を調整することで、生産量の変動や生産量変動や熱処理条件の変更への柔軟な対応が可能となりました。設備構成のレイアウトの変更も容易です。台数の調整により高稼働率を維持し、エネルギーロスを低減することが可能です。

(6000×6700×3350mm)

(2300×6400×2500mm)


レイアウトや熱処理条件をフレキシブルに変更可能


デマンドレスポンスや電化シフトへの対応
熱処理の操業中においても、炉毎に熱源となる電気・ガスの相互切替が可能であるため、デマンドレスポンスに対応可能です。ガスと電気の併用で操業に支障を及ぼさずピーク電力を調整できるため、再生可能エネルギーの普及進展に応じた柔軟なエネルギーマネジメント操業が可能となります。

ヒータからバーナへの切り替えによるピーク電力の抑制


再生可能エネルギー電源での操業(電化シフト・需給調整)

仕様
加熱温度 | MAX 590℃ |
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風速 | MAX 50m/s |
出力 | ガスバーナ 60kW |
電気ヒータ 20kW | |
本体寸法* | W1,300×L2,300×H2,500mm |
加熱室寸法* | W800×L370×H270mm |
用途 | ・アルミ製品の溶体化、時効硬化処理 ・ガラス製品のアニール処理 ・塗装乾燥、焼付けなど |

