ノリタケ製「遠赤外線アニール炉(LF)」のテスト炉導入のお知らせ

2023年4月、ノリタケカンパニーリミテド製遠赤外線アニール炉(LF)のテスト炉を当社拠点「ヒートスクエア」内のテクニカルセンター(ETC)に導入しました。ノリタケとは両社の経営資源を最大限に利用し、売上と利益の最大化をめざし2021年に資本業務提携を締結しております。この度のテスト炉の導入は、この業務提携の一環で、両社で長年培われた遠赤外線アニール事業の一部を当社に集約し、製造、販売、メンテナンスが行われるものです。

当社テクニカルセンター(ETC)ではヒートトライアル事業として、加熱・焼き嵌め・乾燥・硬化処理など様々加熱試験を受注しており、「省エネ、省スペース、省時間(時短)」と言ったお客様のカーボンニュートラルの要請に応えるべく、今後もテスト装置の拡充に努めて参ります。

■遠赤外線アニール炉(LF)のテスト炉概要

遠赤外線ヒーターの放射熱を有効利用して、主に樹脂成形品のアニール処理を短時間に実現する画期的なシステムです。
製品ページ:https://ecom-jp.co.jp/product/furnace/fir/lf/index.html
使用温度 R.T.+15~350℃ ※ヒーター規定値
温度精度 ±3℃ ※製品温度の目安
クリーン度 クラス10000(クラス1000対応可)

本テスト炉の特徴は、以下の通りです。

  1. 処理時間の大幅短縮
    遠赤外線の放射加熱及び熱風による熱拡散を併用する事により処理時間を大幅に短縮できます。
    (従来温風バッチ炉 1~2時間 → ノリタケ製遠赤外線アニール炉(LF)  3~5分)
  2. コンベア式による連続処理
    処理時間が短くなる事により、コンパクトな連続炉となります。その為、成形機直結の連続処理にも対応でき、生産効率が上がります。
  3. 品質向上
    応答性に優れた遠赤外線ヒーターと熱風加熱の併用により、均一に加熱することができます。さらに、連続処理する事により寸法精度が安定します。
    (寸法精度:±5/100mm → ±2/100mm)

■ヒートトライアル事業について

株式会社エコムが運営する施設「ヒートスクエア」内にあるテクニカルセンター(ETC)では、熱処理における最適な条件設定を実現するため複数台のテスト用加熱炉を常設し、アルミ、セラミック、鉄、ガラスといったワークの熱処理加熱テスト「ヒートトライアル」事業を行っています。乾燥炉、焼成炉、熱処理炉などあらゆる工業炉に対応し、お客様が持ち込んだワークを、国家資格であるエネルギー管理士を有した当社のスタッフと共に加熱条件の生産プロセスを見直す実証実験を行うのが「ヒートトライアル」です。既存の熱処理と比較して50%の省エネ、時間短縮に成功した事例もあります。

新設備の導入を検討する際、多くのお客様は生産性を向上させるため、①省エネ②省スペース③品質向上をめざしています。その鍵となるのが処理時間の短縮です。当社のテクニカルセンターでは、経験豊富なスタッフがお客様と共にそのワークにとって最適な条件を求めてテストを重ねます。

また、加熱条件データの提供だけでなく、そこで導かれた新しい熱処理条件をもとに、コンパクトでより省エネ、時短可能な生産方式を独自設計し、生産設備の開発代行を提案することもしています。

常設された最新のテスト装置で最適な加熱プロセスを提案

■新拠点「ヒートスクエア」のオープンについて

当社の新たな拠点として 2022年9月に浜松市北区平口に立ち上げられ、旧本社工場で行われていたテクニカルセンター事業を移して「ヒートスクエア」としてオープンしました。新設テクニカルセンターでは空調の完備により外気冷却試験の精度が上がり、加熱試験はもとより冷却試験についての検証も可能。また、当社初となるクリーンルームを新設し、従来ではできなかったクリーンルーム対応装置の製作・組立が可能となっています。その他、カフェスタイルの食堂やソファ席のある会議室などを配置することで、社員の個性を尊重し、相互理解を深め、多様な働き方を実現できる職場・強いチームを目指しています。

当設備の概要は以下の通りです。

  1. ヒートトライアルの拠点としてお客様の開発をサポート
  2. ショールームとしてお客様との情報交換の場
  3. 自社メンテナンス教育、セミナー開催などの拠点
  4. 省エネ環境デバイスの開発技術拠点