アルミ溶解炉

アルミ溶解炉とは、アルミの鋳物を作るために材料であるアルミニウムインゴットを投入し溶かす炉のことです。

また、溶けた状態を保つ機能を持つ炉のことを保持炉といいます。(保持温度は約 720℃)

エコムのアルミ溶解炉

H195

アルミニウムを固体から高温で溶かすための溶解炉です。つぼの形状をしており、溶かした状態のアルミをそのまま保つ機能があります。アルミを溶かすには大きなエネルギーが必要ですが、投入時に大量に融解処理することで、後はその状態を保持するだけの熱量しか使わないようになるため、結果的にエネルギーコストが少なくてすむという設計コンセプトになっています。

H235

装置上部に投入機があり、そこから固体のアルミニウムを投入し、下部にある溶解炉と保持炉を一体化した部分に溶解したアルミニウムが溜まります。保持炉の機能を組み合わせることで省スペース化でき、溶解と保持の工程間の作業、熱損失がなくなります。

アルミ(AC4、AC8、ジェラルミン等)の熱処理が難しいのは、ワークに対して均一に熱をかけることが難しいというのがその理由です。熱処理の基本は「昇温」と「均熱」。つまり、いかに早く温度をあげ、かつ均一に熱を伝えるかなのです。 そのためにエコムでは「時短炉」の考え方で、ワークだけをいかに早く、いかに均一に必要温度に持っていくかを考えます。

省エネバーナ搭載でエネルギー(燃料)削減!

エコムでは熱交換器搭載省エネルギーバーナ「ecoNext(エコネクスト)」(炉内の排熱を回収、再利用するバーナ)による省エネを提案しています。アルミ溶解炉の保持室に省エネルギーバーナを搭載したモデルを据付した事例では、据付前の設備と比較して省エネルギー(燃料削減)を達成できました。同時に大幅な二酸化炭素排出量の削減も実現。また、アルミの溶体化炉にも省エネルギーバーナを搭載し、省エネを実現しているケースなど実績も豊富です。熱設備のことでお困りなら是非エコムにお問い合わせください。

アルミ溶解炉のメンテナンス

アルミ溶解保持炉(手許炉)は平均寿命が5~7年と言われていますが、定期的なメンテナンスを実施することで溶解効率を損なわずに延命することができます。

あるユーザー様は連休の度に定期メンテナンスを実施し、10年以上も同じ炉を継続稼働させているという実績もあります。

エコムでは老朽化した炉の更新はもちろん、少しでも長く炉を使用できるように、お客様の予算や工場稼働日を考慮しながら、炉修や定期メンテナンスをご提案していきます。

事例

アルミ溶解炉を使用しているお客様から「火が付かない」という連絡があり、原因を調査したところ燃焼用エアーを送るブロワのサーマルがトリップしていました。ベアリングが経年劣化し、軸がスムーズに回らなくなったことで過電流が流れ、安全装置が働いたことが原因でした。

この場合、ブロアを交換する必要がありますが、故障したブロアは型が古く、現在の高効率規制により、既に販売されていないことが判明しました。そこで改めて規制基準を満たすブロアを選定し、交換作業を行いました。工場のラインを止めないためには定期点検が重要であることを改めて認識した突発対応でした。

FAQ/よくある質問

処理時間を短縮したい
お任せください。熱処理時間の大幅短縮でコストダウンが実現できます。エコムの固有技術・経験によって、今までかかっていた加熱時間の短縮が多くの案件で成功しています。加熱時間を短くすることで「接地場所を小さくできる」「処理数を増やせる」「省エネができる」などのメリットが多数あります。
アルミニウムの熱処理はなぜ難しいのか?
ワークに対して均一に熱をかけることが難しいというのがその理由です。エコムでは「時短炉」の考え方でワークだけをいかに速く均一に必要温度に持っていくかを考えます。