特徴1豊富な調整機能
下記の条件を調整する事で、個々のワークに対するベストなアニール条件を見つけることが可能です。
ヒータ側の調整機能
- 最適なヒータ形状の加工
- 遠赤外線ヒータの温度調節
- ヒータとワーク間距離の調節
- ゾーン制御
※上記調整機能は一部専用設計で対応いたします。
熱風側の調整機能
- 熱風温度調整
- 熱風風量調整
- 熱風風速調整
- 最適な熱風の吹き出し構造の製作
特徴2遠赤外線(IR+熱風による)超高速温風が可能
熱風のみのアニール装置と比べ、大幅な処理時間の短縮が可能です。 また、処理量や設置スペースによって、カスタマイズ可能です。 インラインにも対応します。

特徴3エコムテストセンター(ETC)での条件出し支援
エコム熱処理テストセンターではお客様のワークの最適な熱処理条件を見つける為の条件出し支援を行います。 また、テストレポート付きでの委託テストも承ります。 当社の最新のテスト機で一度、お試しください。
このような方は是非ご相談を!
- 現在の熱処理条件に疑問がある。
- 新装置の構想段階だが、最適な温度プロファイルを探りたい。
- とにかく一度遠赤外線加熱を試してみたい。

遠赤外線加熱の基礎知識
遠赤外線加熱とは
熱の伝達方法には、下記のように「伝導」「対流」「輻射」があります。 遠赤外線は「輻射」にあたります。
伝導
物質に直接熱源を接触させることで熱が伝わり温度を上昇させる。
例)フライパン、アイロンなど

対流
空気・水などを暖め、暖められた熱によって 加熱物の温度を上昇させる。
例)ファンヒーター、ドライヤーなど

輻射
中間の媒体を必要としない伝達方式で“電磁波”という形があり、加熱物の分子内運動エネルギーを高め、温度を上昇させる。
例)遠赤外線ヒータ、マイクロ波など

輻射加熱を使った加熱装置の主な特徴
- 加熱速度が速いため、処理時間が短い。
- 設備の小型化・簡易化により、設置面積が縮小
- 長時間にわたり性能が安定し、耐久性が良い

遠赤外線加熱の原理
ある物質に遠赤外線を放射して物質の元である分子を振動させ、 その振動熱を利用した加熱方式です。 遠赤外線は赤外線の一種で、 波長域 5.6 ~1,000μmのものを指します。 樹脂やプラスチックは固有の波長に対して遠赤外線を吸収する性質をもっており、 分子や結晶が振動し、熱エネルギーが発生します。 このエネルギーを加熱に利用するため、 短時間で加熱することができるのです。


アニール(アニーリング)とは
アニール(英:Anneal)とは「焼なまし」のことで、成形品の残留応力を除去するために行う熱処理のことです。
アプリケーション どんな用途で使われるのか
波長帯 | ヒーター 表面温度 |
代表的な用途 |
---|---|---|
6.46 | 175 | 木材の乾燥、プラスチックの塗装乾燥、エポキシ系塗装の乾燥など |
6.24 | 191 | 産業機械類の乾燥、合板の塗装乾燥、予備乾燥など |
5.99 | 210 | アクリル・アルキッド・ウレタン系等の塗装乾燥など |
5.50 | 254 | プラスチックの塗装乾燥、産業機械類の乾燥など |
5.35 | 269 | 生鮮食品の乾燥、家具類の乾燥、プラスチックの塗装乾燥など |
5.16 | 288 | 金属印刷の乾燥、産業機械類の乾燥など |
4.69 | 345 | プラスチックの塗装乾燥など |
4.44 | 380 | プリント基板の乾燥、塗料の乾燥、金属印刷の乾燥など |
4.27 | 405 | 金属と合板の接着剤乾燥、石膏ボードを乾燥、自動車塗装乾燥など |
3.98 | 455 | 金属と合板の接着剤乾燥、耐久ボードの樹脂加工の乾燥など |
3.82 | 485 | 粉体塗装の乾燥など |
3.72 | 505 | 新車修正焼付、家電製品の乾燥、水切り乾燥など |
ヒータの表面温度をコントロールすることで、必要な波長(遠赤外線)を放射して加熱することができます。

遠赤外線加熱 使用例
電子部品関係
- プリント基板プレ・ポスト加熱
- ラミネート用加熱
- 銀ペースト用乾燥
- 基盤絶縁樹脂乾燥用
- 接着剤乾燥
- 基盤コーティング剤用硬化
- 洗浄乾燥
- モジュール架橋
- シリコン乾燥
- 金属フープ材乾燥
- 蛍光体コーティング乾燥
- 封止材乾燥
- 電極乾燥
- 発泡基盤
自動車関連
- 電池材料焼成
- 内装材加熱
- シール材塗装乾燥
- タイヤ加硫
- ハブユニット塗装乾燥
- ラジエターグリル塗装乾燥
- 車両シートしわ取り乾燥
- 樹脂金属接着剤乾燥
- ハブ外輪焼き戻し
- 塗装乾燥
フィルム及びボード類
- フィルムアニール
- フィルムベーキング
- フィルム乾燥
- 焼き付け塗装乾燥
- 粉体塗装乾燥
ハイブリッド加熱の事例
赤外線加熱は輻射加熱によりワークが持っている固有の吸収スペクトルに直接遠赤外線が共鳴することで熱エネルギーが発生し、高速での昇温が可能になります。その反面、急激に昇温する影響で狙った温度以上になってしまうオーバーシュートやヒータからの距離によって温度分布のばらつきが発生しやすくなります。複雑な形状のワークの場合は特に温度差が生じる為、温度精度を求める製品は条件を出すのが非常に難しくなります。
そこで上記の問題を解決する方法としては熱風循環システムとの組み合わせを採用しています。
遠赤加熱の昇温時間短縮という強みを生かしながら、苦手としている均熱面は熱風方式と組み合わせることにより温度精度を上げることが可能になります。
ヒータと温風炉の比較
エコム赤外線ヒータ(EIRヒータ)は遠赤外線による均一で効率の良い加熱が可能です。コーティング処理をしない独自構造により表面剥離がおきず、長期間安定した性能を維持できます。
生産性の向上
- 加熱速度が速い為、加熱・乾燥時間が大幅に短縮される。
- 生産ラインのスピードが速められるので、量産が可能。 また、連続生産による省力化が図れる。

経済性
- 設備機器の小型化・簡易化が容易で設置面積の縮小が図れる。
- 加熱させるエネルギー効率が高いので、温風ヒータと比べて電気容量自体は大きいが運転コスト(タクトタイム)の短縮が図れ、 トータル的には設備容量(kW)の縮小が図れる。(総生産量÷総設備エネルギー量で考えると、ランニングコストを含めお得な設備投資に)
- EIRヒータは長時間にわたって性能が安定しており、耐久性に優れている。