熱技術ニュース 解答 2021年3月号

エネルギー管理士試験の問題にチャレンジ

例題:

次の表は加熱炉の省エネルギー対策として、排ガス損失熱の低減手法の一例である。その対策例として次の表のかっこの中に入れるべき適切な字句をそれぞれ回答群から選びその記号を答えよ。

分類 目的 対策例
排ガス損失熱の低減 適正空気比の維持 (  A  )
排ガス量の低減 酸素富化燃焼などの採用
排ガスリーク量の低減 (  B  )
排ガス温度の低下 ヒートパターンの改善
燃焼用空気の予熱・高温化 (  C  )
  • 【ア】 (A)排ガス成分調整  (B)セラミックファイバの採用  (C)リジェネレイティブバーナの採用
  • 【イ】 (A)排ガスO2濃度制御の採用  (B)炉内圧力の適正化制御の採用  (C)蓄熱式バーナの採用
  • 【ウ】 (A)炉体の蓄熱量低減  (B)炉体開口部の補修  (C)加熱負荷の適正化
  • 【エ】 (A)加熱設備の定期点検  (B)ホットチャージの採用  (C)熱交換器の採用

 

今回の正解

【イ】 (A)排ガスO2濃度制御の採用 (B)炉内圧力の適正化制御の採用 (C)蓄熱式バーナの採用

 

解説

加熱炉の排ガス損失熱の低減のためには、「排ガス量を減らすこと」と「排ガス温度を下げること」が重要になります。
排ガス量を無駄に増やさないためには空気比の管理が重要です。また空気比管理方法の中には排ガス中のO2濃度を検知し燃焼空気を制御することで常に適切な空気比で燃焼させる方式もあります。
また炉体開口部からの熱気漏れを抑制することで排ガス量を減らすことができます。そのため給排気量を調整し炉内圧力を適正化したり、劣化した開口部の補修をすることで劣化した開口部の補修をすることで必要以上の熱気漏れを防ぐことができます。
また排ガス温度を下げるために、排熱を回収することを目的としたリジェネレイティブバーナ(蓄熱式バーナ)や熱交換器の利用が有効です。