熱技術ニュース 解答 2020年5月号

エネルギー管理士試験の問題にチャレンジ

例題:

次の文章の( )の中に入れるべき適切な字句をそれぞれ回答群から選び、その記号を答えよ。

2018年度における我が国の一次エネルギー供給構造は下の通りである。

一次エネルギー供給構造

種別 構成比
石油 37.6%
(1) 25.1%
(2) 22.9%
(3) 2.8%
水力(揚水除く) 3.5%
再生可能(水力除く) 5.2%
未活用 2.9%
  • ア:(1)石炭  (2)天然ガス・LNG  (3)原子力
    イ:(1)天然ガス・LNG  (2)石炭  (3)原子力
    ウ:(1)石炭  (2)天然ガス・LNG  (3)原油
    エ:(1)天然ガス・LNG  (2)石炭  (3)高炉ガス

 

正解

   ア:(1)石炭 (2)天然ガス・LNG (3)原子力

 

解説

  一次エネルギー国内供給の推移は下のグラフのようになります。

1973年の第一次オイルショックをはじめとするエネルギー危機を経験した日本では、それ以降、化石燃料に頼りすぎない社会をつくろうと、エネルギー源の分散を進めてきました。 しかし、2011年の東日本大震災後にすべての原子力発電所が停止した影響もあり、火力発電所の稼働が増えたことで、化石燃料(石油・石炭・LNGなど)への依存度が非常に高くなっています。 また低炭素化を推し進める世界の流れの中で、日本は安定供給や経済性の面で優れたエネルギー源である石炭を燃料とした火力発電が拡大されていることに注目です。

■供給動向

○一次エネルギー国内供給は、前年度比1.8%減。化石燃料は5年連続で減少する一方、再エネ及び原子力などの非化石エネルギーは6年連続で増加。
一次供給のシェアは、発電で再エネ普及と原発再稼働が進み、再エネ(未活用エネ含む)と原子力は各前年度比0.5%ポイント(%p)増、1. 4%p増。
一方、石油と天然ガスは発電用を中心に減少し、各同1.4%p減、 同0.5%p減。石炭は、量は減少もシェアは横ばい。
○発電電力量は前年度比0.8%減(1兆512億kWh)。非化石電源の割合は23.0%(前年度比3.9%ポイント増)。
発電電力量の構成は、再エネが16.9%(前年度比0.9%p増)、原子力が6. 2%(同3.1%p増)、火力が77.0%(同3.9%p減)。
○エネルギー自給率は、前年度比2.3%p増の11.8%(IEAベース)。