熱技術ニュース 解答 2020年2月号

例題:エネルギー管理士の任務

組立単位の中には固有の名称をもつものがいくつかあるが、次の4つの固有名称を持つ組立単位を基本単位を用いて表せ。

①力(N) = 【 1 】
②圧力・応力(Pa) = 【 2 】 
③エネルギー・仕事・熱量(J)= 【 3 】 
④仕事率・工率・放射束(W) = 【 4 】
⑤電圧(V) = 【 5 】

  • ア:kg/(m・s2) 
    イ:kg・m/(A・S2)
    ウ:kg・m
    エ:kg・m2/s2
  • オ:kg・m/s2
    カ:kg・m2/A・s3
    キ:kg・m2
    ク:kg・m2/s3

解答

 (1)オ (2)ア (3)エ (4)ク (5)カ

SI組立単位を基本単位で表す場合、基本式を基に文字通り「組み立てる」ことで導出します。

  1. ニュートン(英: newton、記号: N)は、 国際単位系 (SI)における力の単位。1ニュートンは、1kgの質量を持つ物体に1m/s2の加速度を生じさせる力のことを言います。
    高校物理の一番最初に習ったF=maという運動方程式を思い出すと
    F(N)=m(kg)×a(m/s2)なので、ニュートンをSI基本単位で表すと
    N=kgm/s2
    となります。
  2. パスカル (英: pascal、記号: Pa) は、圧力・応力の単位で、1パスカルは1平方メートル (m2) の面積につき1ニュートン (N) の力が作用する圧力または応力と定義されています。
    よって圧力(Pa)=力(N)/面積(m2)なので
    Pa = N/m2 =(kgm/s2)/m2 = kg/ms2
    となります。
  3. ジュール(英: joule、記号:J)は、エネルギー、仕事、熱量、電力量の単位で、1 ニュートンの力がその力の方向に物体を 1メートル動かすときの仕事と定義されています。
    よって仕事(J)=力(N)×距離(m)なので
    J = N×m = (kgm/s2)×m = kgm2/s2
    となります。
  4. ワット(英: watt, 記号: W)とは仕事率や電力、工率、放射束、をあらわす単位で、1ワットは毎秒1ジュールに等しいエネルギーを生じさせる仕事率と定義されます。
    1秒あたりに変換・使用・消費されているエネルギー(仕事)を表します。
    よって仕事率(W)= 仕事(J)/時間(sec)なので
    W = J/sec = (kgm2/s2)/s = kgm2/s3
    となります。
  5. 電気工学の分野では仕事率である電力は
    電力(W) = 電圧(V) × 電流(A)なので
    V = W/A = (kgm2/s3)/A = kgm2/As3
    となります。