株式会社エコム(本社:静岡県浜松市)は、都市ガス(13A)燃焼用として使用している工業用ガスバーナ「ecoNext(エコネクスト)」を利用して、水素100%専焼および、水素50%+都市ガス(13A)50%の水素-都市ガス混焼での低 NOx (窒素酸化物)燃焼に成功しました。
本試験では、当社の特許技術であるフレームレス燃焼技術(特許公開番号2017-032196)をベースに安定した水素燃焼が可能なことを検証しました。
フレームレス燃焼は都市ガス(13A)用に開発した技術でしたが、燃焼速度が速く比較的 NOx が高くなるといわれる水素専燃、水素―都市ガス混焼においても大幅な低 NOx 化を実現し、30ppm(11%O2換算)以下(注1)を達成することが出来ました。
(参考:東京都の金属熱処理に用いる加熱炉 NOX 排出基準値 100ppm(11%O2換算))
なお、本開発における燃焼試験では東京ガス株式会社(本社:東京都港区)と関西電力株式会社(本社:大阪府大阪市)の協力を得ており、今後さらに実用化に向け、安全性の検証などの支援を得る予定となっております。
当社は今後保守サービス事業の一環であるファーネスエンジニアリング事業(既存の工業炉の改造工事)に水素燃焼技術を利用することで、お客様設備のカーボンニュートラルをサポートし、持続可能な循環型社会構築へ貢献してまいります。
なお、本開発による業績への影響は軽微でございます。
(注1)フレームレス(不輝炎)燃焼での実測値。フレームレス燃焼とは炉内高温条件にてパイロット燃焼空気を希薄条件にて燃焼し、NOx 生成を抑える技術です。同バーナを使用した通常燃焼の場合、フレームレス燃焼に比べ NOx は約 2~3 倍程度増加します。