もう何十年も前の話ですが、初めて大きな加熱炉を受注したときの事です。
今はほとんどありませんが、当時は火入れ式というのがあって、加熱炉の運転開始日は装置の周りを紅白幕で囲い、神主さんを呼んで加熱炉が安全に稼働するよう安全祈願のご祈祷していただくのが一般的でした。
私にとって初めての大きな営業担当案件でしたが、その日は運悪く上司も誰も都合がつかず、私一人でお客様の工場に出向きました。
お客様は誰もが知っている超大手さんで、しかも新製品のラインが動くという日ですから、新人の私一人だけで出向いたら当然のことですが、“上司の方は来られないのですか?”と怪訝そうに担当の方から質問を受けました。
幸いなことに商社の方が“若いけどこの装置を判っているのはこの人だから大丈夫!”と助け船を出してくれて少しだけホッとしましたが、右も左も何も分からない私にとって人生最大の緊張感でいっぱいでした。
火入れ式はお客様の副社長さんがバーナに点火し、無事に終了しました。
お昼にそれまで食べたことが無いような立派なお膳が出たことと、副社長さんがヘリコプターで帰っていったこと以外は人生最大の緊張感のせいでよく覚えていませんが、この時に感じた仕事への達成感が何とかこの世界でやっていけそうという思いにつながっていきました。
MS
真新しい新工場。選んだ道を正解にすべく、気持ちも新たに進みます。
Sさんにもこんな初々しいころがあったとは(笑)。
今年の新人たちにも同じような気持ちを早く味わってほしいですね。
ヘリで帰っていく副社長さんにびっくりです(°д°)
初めてでしかも一人・・・心細いですよねぇ・・・
今のMSさんからは想像はできませんけど!
by 金ちゃん