熱処理の事例集

10年以上使用していた乾燥設備の更新を見据え、処理時間の短縮を図ることが本試験の目的です。

従来の乾燥処理時間は約30分であり、生産量の増加に伴い、より短時間での処理が求められました。 この試験では、製品性能を維持しつつ乾燥時間の最適化を実現できるかを検証し、今後の設備導入に向けた有効な条件を見出すことを目指しました。

実際の製品および含侵液を用い、現行の工程を再現して、以下の2点を目的に試験を実施しました。

1. 乾燥時間の評価：重量計と温度センサを使用し、乾燥前後の水分量を測定。水分の蒸発が進むタイミングで昇温傾向を分析し、最適な乾燥時間を割り出しました。
2. 時短条件の検証：炉内の温度分布や風速を調整し、乾燥時間を短縮できる条件を探索。特定の加熱条件下で試験サンプルを作成し、乾燥後の製品性能を評価しました。

乾燥時間を30分から15分へ短縮することに成功し、製品の性能も良好であることが確認されました。これにより、新たな条件を整理し、実際の設備導入へ向けた提案を進めることが可能となりました。 期待される効果として、省スペース化、大量生産の対応、時短による生産効率向上が挙げられます。

【測定結果グラフ】