加熱テスト目的
インサート成型工程では、部材の予熱や徐冷が必要不可欠です。しかし設置レイアウトの制約から、従来の方法では処理時間や装置規模に課題がありました。
そこで本テストでは、限られたスペースの中で効率的な昇温と徐冷を両立させ、2stで完結できる装置仕様を検討することを目的としました。

試験内容
試験では以下の3点を重点的に検証しました。
- 予熱処理後の温度保持時間の確認
- 風速と昇温時間の関係の計測
- 徐冷時間の妥当性の検証
当初は「成型時に必要な製品温度」しか明確になっていなかったため、試験を通じてデータを積み上げ、設計条件を一つずつ確定させました。設計者とも密に協議しながら進めることで、設備仕様の最適化に直結する検証となりました。
加熱テスト結果
- 予熱条件:自然降下での温度保持時間を測定し、処理温度を120℃、段替え時間を40秒以内と設定。
- 昇温条件:各処理温度ごとに風速と昇温時間を測定し、必要な熱風風速を導出。
- 徐冷条件:簡易冷却装置での検証により、2st分で十分に冷却可能と確認。
これらのデータを基に、実際の設備設計に反映できる仕様を確定することができました。

期待される効果
- 時短 昇温・徐冷を効率化することで、処理時間を大幅短縮。
- 省スペース 2st構成でコンパクトな装置設計が可能。
- 大量生産 安定した温度管理により、生産性の高いライン構築を実現。
エコムの「ヒートトライアル」は、単なるテストにとどまらず、設計者と連携しながら最適な条件を導き出せる実証プロセスです。
現場条件やレイアウトの制約を踏まえたうえで、省エネ・時短・省スペースを実現する設備設計へと直結させることができます。
加熱条件の検討から装置設計まで──エコムはお客様と一緒に課題を解決し、最適解をご提案します。
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