加熱テスト目的

カーボンシートを用いたロール to ロール焼成の再現と高速化を目的に、実際の生産条件に近い加熱試験を実施しました。

クライアント企業様の自社ラボで試作までは行ったものの、既存品の生産速度の再現が難しいということで、弊社へ依頼をしたというのが相談内容でした。

そういった背景から、今回のテストでは製品の品質・処理スピード・安定性をすべて満たす加熱条件を導き出す必要がありました。

試験内容

実機サイズでの評価試験が難しかったため、試験機に合わせたシートサイズを用意し、乾燥から焼成を1分以内に完了させることを目標に設定。焼成温度310℃をターゲットに、熱風の風速・温度を変化させながら昇温スピードや焼成の仕上がりを繰り返し検証しました。

さらに、製品表面に痕跡が残らないか、硬化状態、剥がれやすさなど、実機を想定した総合評価を実施し、サンプルを都度作成しました。

加熱テスト結果

試験の結果、目標としていた1分を大幅に短縮し、約30秒で焼成が完了する加熱条件を発見。

テストデータに基づき、最小限の風速で安定した加熱が可能な設備仕様を提示しつつ、将来的な増産にも対応できるよう調整余地を残す設計でお客様と合意に至りました。

この結果により、加熱効率と量産性の両立が可能であることが実証されました。

測定結果グラフ

【測定結果グラフ】風速毎の製品昇温速度

期待される効果

  1. 時短 生産時間の大幅短縮(1分→約30秒)
  2. 品質向上 品質の安定化と歩留まりの改善
  3. 大量生産 目先の改善だけでなく中長期的な生産戦略への貢献

エコムは、ただ設備を設計するだけの会社ではありません。

「どうすれば、もっと速く・もっとキレイに・もっと効率よく焼けるのか?」

その答えを、お客様と一緒に見つけ出す──それが、私たちの加熱テストです。
現場の課題に寄り添い、トライ&エラーで最適解を導く。

エコムの技術と情熱は、ものづくりの現場に最適な“熱”を届けます。ぜひお問い合わせください。