加熱テスト目的
自動車用反射板の2色樹脂溶着部に対するアニール処理を、インライン化によって効率的に実現することを目的としてヒートトライアルを実施しました。大量生産体制を確保しながら、設備レイアウトに適合する治具・トレイ仕様の検証を行うため、製品トレイを複数段積み重ねた状態での加熱試験を希望されました。試験に先立ち、事前に構想相談を行いながら最適な条件を検討し、検証試験に取り組みました。

試験内容
製品をトレイに並べて段積み状態で試験を実施し、当初は四方を囲んだボックス形状のトレイを使用しましたが、昇温効率の改善を目的として側面を大きく開放した新設計トレイを提案し用意しました。実際にどの程度効果が出るのか両トレイの昇温データをそれぞれ取得することで比較し、治具・トレイ形状が加熱条件に与える影響を検証しました。
加熱テスト結果
試験の結果、側面を開放したトレイの方が昇温効率に優れており、加熱試験の時間短縮に成功しました。従来のトレイでは昇温に時間を要しましたが、新設計トレイでは目標時間をクリアし、アニール処理の量産対応に適した条件を確認することができました。これにより、装置設計においても新仕様トレイを前提とした検討が進められ、樹脂溶着部の安定した加熱処理が可能であることが実証されました。

期待される効果
- 時短効果 昇温時間の短縮による生産効率向上
- 大量生産対応 段積み状態でも安定した加熱処理が可能
- 検証精度向上 治具・トレイ形状の違いによる影響を事前に把握してから設計が可能
今回のヒートトライアルを通じて得られた成果は、生産効率の向上(時短効果)、大量生産への対応、そして治具・トレイ形状による加熱試験条件の最適化です。特に、昇温効率の改善は量産ラインにおける安定稼働に直結し、企業の生産性向上に大きく寄与します。また、事前に検証を行うことで、設備導入時のリスクを低減し、安心して量産化へ移行できる点も大きなメリットです。
株式会社エコムのヒートトライアルでは、製品仕様や治具形状に応じた最適な加熱条件を事前に検証することが可能です。今回の事例のように、トレイ形状の工夫ひとつで昇温効率が大きく変わることもあります。
「量産ラインに導入できるか不安…」
「治具やレイアウトに合わせた加熱条件を確認したい…」
そんな課題をお持ちの企業様は、ぜひエコムのヒートトライアルをご活用ください。事前検証による安心感と、量産化へのスムーズな移行をお約束します。